「このほうがずっと、どの行を対象にしているのか、ユーザーにわかりやすいぞ!」
画面を眺めながら、八木くんはウンウンとうなずきました。
ちょうどその頃、会社では星くんと岩田部長が、打ち合わせの真っ最中です。
「それでは本当に、基幹システムとExcelシステム間でデータ連携が行えるんだな?」
「はい、技術的には可能だと。
オフィス・ヤギの八木氏から確認をとりました」
岩田部長が感慨深げに、ウンウンと何度もうなずきました。
「基幹システムの改修など、とうにあきらめていたが、まさかこんな形で可能になるとはな。
連携は、どんなイメージなんだ?
常に同期しているのか?」
「……いえ。同期は一日一回、早朝のタイミングを想定しています。
あと現時点ではまだ、基幹システムからデータを読み込むのみで、書き戻しは想定していません」
「一方通行か?」
「はい。データの書き戻しには、基幹システム側にインポートの機能が必要になるので、
我々だけでは対応できません。
費用もかかることですので、電算室との協議が必要かと…。
エクスポートの機能は、すでに業者が作ったものがあるので、
とりあえずデータの読み込みから進めたいと思います」