「よし!指定した日付以前のデータが、全て削除されてるぞ!
オッケーだ!!」
八木くんはパチンと指を鳴らすと、満足そうに八木特製ブレンドを飲み干しました。
そのころ会社の食堂では、星くんが一人、遅めの昼食をとっていました。
「結局、泉先輩と水木さんに何があったのか、本人に聞かないと分からないのか…。
すっごく知りたいけど……聞きづらいなあ…」
ブツブツとつぶやきながら、Aセットのランチを食べる星くんの隣に、
ガチャンとトレイが置かれます。
「あたしとイズミンがどうしたって?青年?」
そう言いながら水木さんは、星くんと並んで腰を下ろしました。
「ブッ…!水木さん…。
お、遅い昼食ですね」
「サーバーのログを確認してたら、遅くなっちゃった。
星くんは、Aセットのもやし炒め定食か…。
あたしは、Bセットの焼肉定食よ。
…肉食べなきゃダメよ、星くん!
ただでさえキミ、もやしみたいなんだから…」
水木さんはアハハと豪快に笑うと、照り焼きにされた牛肉をヒョイとつまんで、頬張りました。