初めての後輩
「今日は疲れたなあ…、あの子、森川くんだったっけ。
すごかったなあ…」
お風呂上がりの髪をタオルで拭きながら、岬さんは冷蔵庫から缶ビールを取り出します。
「よっと。
…マコちん、今日もがんばりましたあ!」
ソファに腰掛けた彼女はキンキンに冷えたビールを、おいしそうに飲み始めます。
「ぷはーっ!最高ーっ!」、
鼻の下に白い泡をつけながら、岬さんが叫びます。
「…それにしても、さすが情報学専攻ね。
飲み込みの早いこと、早いこと…」
彼女はポテトチップスの袋を開くと、一気に3枚ほどつかんで、口の中に放り込みました。
「あのペースなら一年も経たずに、あたしや星さんに追いついちゃうんじゃないかしら?
…恐るべし、情報学専攻。
…とは言ってもExcel VBAに関しては、まだまだハナタレ小僧ね。
あたしが、ビシビシとしごいてやるから!」
バリボリとポテチをほおばりながら、岬さんがブツブツとつぶやきます。
「…あたしの初めての後輩か……フヒヒヒ…」
彼女はニヤけた顔で、ビールを飲み干しました。