ひらめいたアイデア
ちょうどその頃、同じく夕食を終えた岩田部長は、自室で晩酌の続きを楽しんでいました。
「…VBAによる改善の流れが行き渡ってきたせいか、開発案件がやたらと増えてるな。
早晩、星たちだけでは手が回らなくなるだろう。
……その意味でも、"VBAの達人"と"独立した部署"は、ぜひ手に入れたいな…」
熱燗をチビリとやりながら、岩田部長は思いをめぐらします。
「……問題は、その後だな…。
改善のネタは無限にはない……人を増やしすぎると、いずれ手持ち無沙汰になる。
とはいえ作ったシステムは、放っておけばガタがくる。
最低限のメンテナンス要員は確保しないと…」
酔いが回りボーッとした部長の頭に、あるアイデアが浮かびます。
「…システム開発で売りが立てば、誰も文句は言わんだろう?
…同業他社のシステムを、受注開発するというのはどうだ?
……もっと言えば、我々が作ったシステムをパッケージ化して、販売すればいいんじゃないか?」
岩田部長は、突然ひらめいたアイデアに満更でもない顔をして、アレコレ考えをめぐらします。