岬さんで大正解
そんな二人の様子を星くんは、席からジッと伺っていました。
「(岬さんを森川くんの教育係にしたのは、大正解だったな。
森川くんも、岬さんのことを慕ってるみたいだし…)」
「モリリン、がんばってるじゃない。岬さんの教育がいいのかしらね?」
泉先輩が机の向かい側から、星くんに話しかけます。
「あ…、はい。同じことを考えてました。
彼女、教育担当にうってつけですよね」
「あー。確かに、教えるのうまいわねー」
泉先輩は視線を天井に向けながら、そう返します。
「彼女が優秀過ぎて、俺の出る幕が無いですよ…」
「あらそう…?じゃあ私が朝から晩まで、イヤというほど質問してあげましょうか?」
星くんの顔をジッと見つめながら、泉先輩がいたずらっぽく笑いました。