岬さんのランチタイム
「たまには食堂じゃなくて、外食するのもイイわね。
今度、森川くんも連れてきてあげようかしら…」
食べ終えたトレイを返却口に戻すと、彼女は足早に店を後にします。
その頃、森川くんは、オーグチさんの追加リクエストの"OR検索"がうまくいかず、悩んでいました。
「だめだ…、だんだんわけがわからなくなってきた。
一度紙に書きだして、整理してみよう」
「待てよ…。
このロジック、見つからなかったときのことばかり考えてるけど、
見つかったときは何もしないんだな…。
OR検索と言うことは、一つでもキーワードが見つかれば、
それ以上検索する必要はないんじゃないか…?」
森川くんは、検索ワードが見つかった時点でループを抜ける"Exit For"の処理を、
コードに追加します。
修正したコードは、2つのワードのOR検索を正しく実行しました。
「いよーーし!!やったあ!!」
森川くんが手を叩こうとしたその瞬間、江口さんが振り返り、ウンウンと首を振ります。
振り上げた手の行き場をなくした彼は、ポリポリと小さく頬をかくのでした。