「のみこみがはやいじゃないか星。そのとおりだ。
これに対して、"業務システム"といわれるものは、なんらかの業務を行うために必要な"複数のプログラムの集合体"をさすんだ。
例えば、在庫管理システムについて考えたとき、在庫管理を行う商品のリストが必要だよね。
さらに、在庫数を入力したり、修正したりする機能も必要になる。
ある条件で在庫数を検索したり、在庫数のおかしいものは一覧表にして印刷したりする機能だって、必要になるかもしれない…。
これら1つ1つの機能のために、それぞれ異なるプログラムを用意する必要があるんだよ」
「うっひゃー!
その1つ1つのプログラムも、複数のプロシージャの組み合わせで作らなければならないんだよね。
そりゃ、大変だ…」
星くんが、目を丸くして叫びます。
「…さらに在庫管理を行う商品のリストは今後、更新されていくよね?
…ということは、新商品の追加プログラムや、廃番商品の削除プログラムだって用意しなきゃならない」
星くんの顔が、みるみる真剣な表情に変わっていきます。
「そんな…。それじゃあ、とんでもない数のプログラムを用意しなきゃならないじゃないか…。
いったいシステムを完成させるのに、どれだけの時間がかかるんだよ…」
星くんは、げんなりした様子でつぶやきました。
「おまえの部長がいいだしたことは、こーいうことなんだよ。
だから簡単に考えてはダメなんだ。
しかも業務システムの場合、他にも考えなくちゃならないことがある。
…ちょっと、ここまでの流れを簡単な図にまとめてみるか」
そういうと八木くんは、PCに向かって何やら図を作り始めました。
「できた、ここまでのまとめはこんな感じになるよ」
「…うーん。これを見ただけで、すでにうんざりだけど…。
他にも考えなくちゃならないことって…なんだい?」