「他にも、ユーザーがシステムで何を実現したいか把握する"要件定義"、
システム化することで業務がどのように変化するか示す"業務フロー作成"、
使用する画面や帳票をレイアウトする"画面設計・帳票設計"、
データをどこにどのような形で保存するか決める"ファイル設計"など…
まだまだたくさんあるよ」
「もういい…わかったよ八木、俺にはとても無理だということがよくわかった…」
星くんは、魂が抜けたように力なくつぶやきました。
「おいおいおいおい、星!
俺はおまえにVBAの開発をあきらめさせようとして、こんなこと話してるんじゃないぞ!
これは、システム会社が業務委託されて他社のシステムを開発するときに必要な設計だ。
おまえが作るのは"社内システム"で、しかも開発するのは"おまえひとり"だ。
何も、すべての設計を行う必要はないんだよ!」
「…本当かい?」
力なく、星くんがつぶやきます。
「もちろんさ!
…ただしいくら"社内システム"で、かつ"ひとり"で開発するからといって、最低限おさえておくべき部分はある。
それをこれから教えてやるよ」
「…俺でも、VBAでシステム開発ができるようになるのかい…?」
「あたりまえじゃないか。おまえは一般的にみて、VBAの理解がはやいほうだ。
必ずVBAで業務システムが開発できるようになる。俺が保証するよ」
星くんの顔がパッと明るくなりました。
「そ…そうかい…?それで、どんなことを最低限おさえておく必要があるんだい?」
八木くんが、軽く首をひねって考えます。
「…そうだな…。まずは、ユーザーインターフェイスについて理解する必要があるかな…?」
「ゆ…ユーザーインターフェイス…かい??」
星くんが、目をパチクリさせながら聞き返しました。