星くんはマウスを手に取り、八木くんの作ったボタンをクリックします。
すると、再び画面に"マクロを実行しました"のメッセージが表示されました。
「う~ん。すごい!これなら、ボタンをいっぱい配置して、本格的なメニュー画面を作ることも難しくないね」
「うん。今は試しにフォームコントロールのボタンにマクロを登録したけど、実はオートシェイプで描いた図形にもマクロを登録できるんだ。
そうすれば、市販のパッケージソフトに負けないくらいカッコいいメニューを作ることだってできちゃうよ」
星くんはホーッとため息をつくと、自分がカッコいいメニュー画面を作ったとこを想像しニヤニヤしました。
「この他にも、Excel2003までなら"メニューバー"や"ツールバー"にマクロを登録して実行することもできる。
Excel2007以降なら"クイックアクセスツールバー"にマクロを登録することができるよ。
このあたり、またおいおい説明してやろう。どうだい星、参考になったかい?」
「なったよ、なった!
確かにこんなことも知らないで、業務システムを作ろうだなんて…おこがましいよね。
なんか恥ずかしくなってきたよ」
「あはは。おまえはまだ、VBAの初心者じゃないか!これから、いろいろおぼえていけばいいんだよ。
ただ、ユーザーインターフェイスについては、これで終わりじゃない…
もうひとつ、よく考えなくちゃいけないものがあるんだ」
「なんだいその、"もうひとつ"の考えなくちゃいけないものって…?」
そうたずねる星くんに、八木くんがグッと顔を近づけてつぶやきました。
「…ところで星、すこし腹がへってきたな…
近所にうまいラーメン屋があるんだが、ちょっと腹ごしらえに行かないか?」
ぐー。星くんのおなかが鳴りました。
「そーだな、たしかに腹がへったな…。じゃあ行こっか」
二人は部屋を出てマンションを後にします。
そして夜の街のラーメン屋に向かって歩き出しました。