「…あまり一気に詰め込みすぎても、理解が大変だな。このくらいにしておこう。
とにかくマクロを呼び出すことで、一気にVBAプログラミングの可能性が広がるという点に関しては、理解できたかい?」
ウンウン、と星くんは大きく首を縦に振りました。
「それじゃあ早速、おまえの作った2つのマクロ…
"追加アイテムのチェックマクロ"と"ブックを開いて編集するマクロ"、この2つを組み合わせてみるんだ。
このとき大事なのは、前におまえに想像させた架空のシステム、あのシステムの動きをよく思い出すことだ。
そうすれば、どのマクロからどのマクロを呼び出せばいいのか、おのずとわかってくるはずだ」
「ちょ、ちょ、まさか…それも明日一日で作って来いっていうんじゃないだろうな!?」
「なんで?できるだろ?
必要なものは、もう全部そろったじゃないか。あとは形にするだけだよ。
…まあ、ヒントじゃないけど…今回のマクロの呼び出しには、引数も戻り値も必要ない。
Callステートメントを記述して、そのあとに呼び出すプロシージャ名を記述するだけだ。
2つのマクロは、同じモジュールに置けばいい。
ついでに、シートにボタンを1つ作って、そこからマクロが実行できるようにするんだよ。
ボタンにマクロを登録する方法については、以前に説明したよね」
「う…うん。そうだけど…」
星くんの額にイヤな汗がタラーリと流れます。
「大丈夫だ星!おまえはもうすでに、これだけのプログラミングスキルを身につけてるんだ。
必ずできる!自信を持つんだ!
…じゃ、俺はネットショップの更新があるんで…また明日な」
部屋から追い出された星くんは、マンションの廊下でボーゼンと立ちすくむのでした。