まるで魔法の計算機
「わかった!イミディエイトウィンドウに
"?DateAdd("d",100,#2010/1/1#)"
と入力して、Enterキーを押すんだ!」
「ピンポーン」
?DateAdd("d",100,#2010/1/1#)
2010/04/11
「答えは、"2010/4/11"でした。
こんな具合に、VBAの関数ならなんでも、イミディエイトウィンドウで動かして、
結果を出力させることができるよ」
「なんてこった…イミディエイトウィンドウは、まるで魔法の計算機じゃないか…!
八木、他にもまだまだあるんだろ?」
星くんが目をキラキラと輝かせながら、八木くんに催促します。
その頃会社では、岩田部長と岬さんが、黙々と仕事を続けていました。
カタカタカタ…と、岩田部長のキーボードの音が、事務所の中に鳴り響いています。
「時に岬くん。
最近、星や泉くんと、3人で帰っているようだが…皆でどこかに、出かけているのかね?」
岬さんはギクリとして、作業の手を止めます。
「えっ…と、それは…」
「退勤後のことだから、どこに行ってもかまわないのだが…。
3人とも最近、残業をしてないなあ…と思ってね。
皆でボーリングにでも行ってるのかい?」
岬さんの脇に汗が流れます。
八木くんとの勉強会のことを、どこまで部長に話していいのか、判断がつかなかったからです。
「…えっと、そのう…ですね。
皆で集まって、少しVBAの勉強を…」
「VBAの勉強を!?」
岬さんの言葉に、岩田部長のキーボードを打つ手がピタリと止まりました。
「(あ~ん、星さん。八木さんのこと、どこまで話していいんですかあ~!!)」
岬さんは、声にならない叫び声をあげました。