星くんがフーッと、大きなため息をつきます。
続けて八木くんが説明しようとすると、軽く手を上げて、彼を制止しました。
「説明してるとこ悪いんだけど、八木。
……これは、とても重要な知識だから、俺一人で聞くのはもったいない。
…今度機会を設けるから、泉先輩や岬さん、森川くんたちと一緒に聞かせてほしいんだけど……
お願いできるかい?」
八木くんは目をパチクリさせると、星くんの顔をのぞき込みニンマリと笑いました。
「…たしかにそのとおりだな、星。
そんなこと、お安い御用だよ。
わかりやすいサンプルを用意してくるから、スケジュールが決まったらまた教えてくれ」
開発用の資料を手にした八木くんは、温かい眼差しで星くんを見つめます。
「(星。本当にリーダーになったんだな…。すごいよ、おまえ)」
打ち合わせを終えた二人は、ミーティングスペースを後にしました。