「ワシは外様だし老いぼれじゃ、ITのことはわからんが…、
時代がものすごい勢いで変化していることはよ~わかる。
……これからの10年、20年先を生き残るのは、この変化を敏感に感じ、
臨機応変に対応できる企業なんじゃろう。
新しい可能性の芽をつぶしてしまうようでは、とてもとても…」
「今までと同じやり方を続けるのは……かえってリスクだとおっしゃるのですか?」
社長が伏し目がちに米谷顧問に尋ねます。
顧問は破顔すると、白い歯を見せながらカッカッと声を上げました。
「(まるで水戸の御老公だな…)」
岩田部長は顔をほころばせながら、心のなかでそうつぶやきました。
定時まであと少しになりました。
事務所のドアを開け、岩田部長が入ってきます。
「お疲れ様っす。部長。
……会議のほう、えらくかかりましたね?」
オーグチさんは席を立つと、岩田部長のもとに駆け寄ります。
「…疲れた。オーグチくん、すまないがお茶をいれてきてくれ。
泉くん、星、岬くん、ちょっと話がある。
キリのいいところで、こっちに来てくれないか?」
「オグチです。
お茶ですね、しばしお待ち下さいませ~」
オーグチさんは小走りで、給湯室に入っていきます。
星くんたちは、キョトンとした顔で席を立つと、部長のもとに集まるのでした。
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