「あら!スゴイじゃない!
…これなら誰でも、マクロをすぐに作れちゃうんじゃないの?」
水木さんは、目を丸くしながら言いました。
「それは無理です。
これは、オブジェクトに対する操作しか記録してくれません。
関数や制御構文が必要な操作は、記録してくれないんですよ」
「なるほど。開発の便利機能ってやつか。
まあでも、あったほうが便利なのは間違いないわね。
次の"VBAの情報がインターネットに豊富にある"ってのは、私も知ってるわ。
技術情報を検索すると、VBAのTipsがこれでもか!と、表示されるもの。
その次の"Pコード"って何?」
岬さんは鼻の下を指でこすりながら、ちょっとドヤ顔で説明を始めます。
「"Pコードなのでプログラムのテストが容易"というのは、見てもらったほうが早いです」
彼女は新しいシートを挿入すると、先程記録したMacro1プロシージャを、
ステップ実行で実行していきます。
「コードウィンドウの中で、黄色の矢印が指してるところが、これから実行される行になります。
こうやって1行ずつPコード(中間言語)にコンパイルしながら、
インタプリターのように実行できるんですよ」
「これ、めちゃくちゃ便利じゃない!
COBOLはコンパイルしないとテストできないから苦労するけど、
VBAなら1行ずつ確認しながらデバッグできちゃうのね!」
水木さんは腕を組んで、フーッと大きなため息をもらします。