ちょうどその頃、会社から少し離れた喫茶店で、
社長が取引先の若専務とコーヒーを飲んでいました。
「ウチもそろそろ、RPAの導入を検討してるんですよ」
「RPA?…それは一体、何だね?」
「ロボテック・プロセス・オートメーションの略ですよ。
業務を自動化してくれるソフトウェアです。
こいつがなかなかスゴイんですが、なにぶん導入費用が高くて…。
なんだかんだで年に100万以上、かかるのが頭の痛いところです…」
「ほう。VBA…というやつとは、違うのかね?」
「ああ…VBAですか。
社長、よくご存知ですね!
…VBAも使える社員がいれば便利なんですが、人材の育成から始めるとなると…。
ウチのような中小企業には、高嶺の花ですよ。
そういう人材をふんだんに抱えている、大手はうらやましい限りですね」
「ほう…そうかね。
VBAができる人材は、そんなにうらやましいかね?」
社長はコーヒーカップを見つめながら、何かを考えている様子でした。