「う~~~~ん」
梶田部長は眉間にシワを寄せながら、考え込みました。
「(VBAが基幹システムと入れ替わることは無い、という岩田さんの話だったが…、
これは油断できないぞ…。
基幹システムの優位性を、もっとアピールしていかないと…)」
腕を組んで黙り込む梶田部長に、水木さんが思い出したかのようにつぶやきました。
「…そういえば星くん、VBAと基幹システムの連携を考えてる…みたいなことを、言ってましたねえ」
「ほう……基幹システムとの連携……?」
梶田部長の瞳が、キラリと輝きました。
「では、八木さん。
進捗状況の報告をお願いします」
10時になりました。
ミーティングスペースに集まったシステム企画室のメンバーは、八木くんに注目します。
「…では、報告します。
今回はExcelからAccessの、テーブルのデータを更新する処理を実装しました。
まず、ADOで更新処理を行うときは……」
「…すみません。その前に、ちょっと良いですか?」
岬さんが、手をあげます。
「八木さんや星主任は、Accessのことをよくご存知のようですが、私はあまりなじみがありません。
AccessとExcelの違いについて、教えてもらえると助かるんですが…」
岬さんの隣で、泉先輩もウンウンと頷きます。
「あたしもそうよ。
Accessってあまり使ったことないし、よくわかんないわ」
「……そうですか、わかりました。
では先に、AccessとExcelの違いについて、説明しましょう」
八木くんはホワイトボードに、簡単な図を描きました。