星くんは腕組をしながら、動作テストの様子を見守っていましたが、
思わずため息をもらしました。
「これは…、Excel VBAでこんなことが本当に可能なんだ。
ぶったまげたよ」
「これを発展していけば、様々なVBAのシステムを共有化できます。
そして将来的には、SQLサーバーを導入して、本格運用を目指すことも可能です」
八木くんがホワイトボードに、簡単な図を書いて説明しました。
「Excelでクライアントサーバーシステムか…。
基幹システムとデータ共有するだけじゃなく、現在のスタンドアロンのVBAを共有できるんだ…」
星くんが目を輝かせながら、ホワイトボードを見つめます。
すでにいろいろな構想が、頭の中に浮かんでいるようです。
「営業進捗システムについては、あとUIの部分を完成させれば、とりあえずリリース可能です。
このあたり、オーナーの意見を参考にしながら決めたいと思いますので、
打ち合わせの設定をお願いします」
「わかった、オーグチさんに営業課の都合を尋ねてみるよ。
少し待っててくれ」
いつもの調子で握手しようと右手を差し出した星くんは、
あわてて手を引っ込め、恥ずかしそうに照れ笑いをしました。