腕を組んで、静かに話を聞いていた八木くんは、
「…どう思うだって?まあ…ひとことでいえば、全く"ナンセンス"だよ」
いつもとは違う、力のこもった口調でいいました。
「そう思うかい?」
「ああ…全くナンセンスだ。管理職の人がよくやる勘違いだよ。
いい機会だ、今日はVBAと業務の関係について話してやろう。
おまえの頭の中にあるモヤモヤが晴れること請け合いだよ」
八木くんは自信に満ちた表情で、そういいました。
「まず業務を"VBA化"するメリットについて考えてみよう。
このことについて考えてみたことはあるかい?星」
「え!?業務をVBA化すれば、自動化されて便利になるんじゃないのかい?」
「…それじゃあ、おまえの部長といってることが同じじゃないか…。
そうだな…これは表にするとわかりやすい。ちょっと待っててくれ」
そういうと八木くんはExcelを起動し、なにやら表を作り始めました。
「できた!こんなもんでいいだろ。星、この表をよく見てごらん」
「一口に業務といってもいろいろあるけど、
ここでは業務の発生する"頻度"と、業務にかかる"手間"に着目し、
VBA化することのメリットについて表にしてみたよ」
「縦軸が業務の発生する頻度で、横軸が業務にかかる手間だね。
なるほど…頻度が高く手間のかかる業務こそが、最もVBA化するメリットの高い業務ということか…。
その逆は最も低くなるんだね」
「うん。あと頻度が高くても手間のかからない業務や、
手間はかかるけど…そもそもそんなに頻度のない業務、
これらをVBA化するメリットは"中くらい"ということになる。
次にこの表を"開発にかかる工数"という視点からみてみよう」
八木くんは先ほどの表の下に、さらに新しい表を付け加えます。