ピンポーン。八木くんのマンションのチャイムが鳴ります。
八木くんの部屋にあがりこんだ星くんは、さっそく泉先輩が作ったピックアップリストを取り出しました。
「八木、これを見てくれ。改善効果が高いと思われる業務のピックアップリストだ」
「どれどれ…」
八木くんは、星くんから手渡されたリストをしげしげと眺めます。
「…フーン、なるほど…。また、たくさんピックアップしたな…。
ただ俺では、ひとつひとつの業務の内容が、どんなものかよくわからんぞ…」
「うん、それはわかってる。…八木、これなんかどうだろう?
会社で考えてたんだけど、真っ先に改善すべき業務じゃないかと思うんだ…」
星くんが指し示した場所にある業務を、八木くんが読み上げます。
「"オーダー表、追加アイテム確認作業"?
…技術部からきたオーダー表のアイテムを旧オーダー表のアイテムと比較し、新規で追加されたアイテムにチェック、チェック済みオーダー表を技術部に戻す。
なんじゃこりゃ?」
「わかりやすく説明するよ」
星くんは八木くんのPCを借り、図を作りながら説明を始めました。
「ウチの会社では新しいオーダーがあると、以前受注したことのあるよく似たオーダーをもとに、必要なアイテムを書き出すんだ。
このあと作業指示を出すのに、どのアイテムが新しく追加されたかチェックし、一目でわかるようにしておく必要があるんだ…」