「…まてよ。この"Hantei"って変数。
Exit Forするとき"True"を代入してるけど、そもそも最初は何の値が入ってるんだろう?
…それに一度、"True"を代入してしまったら、そのあとはずっと"True"が入り続けていることになるな…。
それって、マズイんじゃないのか?」
星くんは、腕を組んでムーと考えます。
「…最初の値は、コードの先頭で"Hantei"に"False"を代入してしまえばいい。
問題は、そのあとの処理だ。
変数の値が"True"のままでは、そのあとの処理がすべて"True"で処理され、意味のないものになってしまう…。
どこかで再び、値を"False"に戻さなければ…いったいどこで戻したらいいんだろう…??」
星くんは、穴があくほどコードを見つめています。
仮に今、岩田部長に声を掛けられても、星くんは気づくことがなかったでしょう。
「…なんだ。簡単じゃないか…。
値を"False"に戻すということは、変数"Hantei"に"True"が入っているとき、つまりここでいいんだ…!」
星くんは先ほどのコードに、少しだけ追加のコードを書き足します。
「よし!…これでいい…これならいけるはずだ!」
星くんの指が[F5]キーに伸びます。
マウスカーソルが一瞬、砂時計の表示に変わり、すぐにコードの実行が終了しました。
Excelの画面に切り替えた星くんの瞳に、待ち望んでいたとおりの結果がとびこんできました。