いれたての特製ブレンドを飲み終えた二人は、早速システム化への作業に取り掛かり始めました。
「前にも聞いたけど、星。
今回の追加アイテムを確認するシステム、マクロはどこに組み込んだらいいと思う?」
八木くんの問いかけに、星くんはグッと答えに窮します。
「そうなんだよな…。
前回の泉先輩のケースでは、マクロで処理するシートとマクロを記述するモジュールが、
たまたま同じブックにあったんだ。
…でも今回は、技術部から毎回異なるオーダー表がやってくる。
まさかそのオーダー表にその都度、同じマクロを作成するわけにもいかないし…うーーーん…」
星くんは、すっかり考え込んでしまいました。
「星、そういうときは、おまえがその業務をするつもりになって、頭の中に架空のシステムを想像するんだ。
そして、そのシステムにどのように動いてもらったら、都合がいいか考えるんだ」
八木くんが助け舟を出します。
「…架空のシステムか、そうだな…。
それなら…画面のボタンを押すと、[ファイルを開く]ダイアログボックスが表示される。
そしてその中から、対象となるオーダー表のブックを選択する。
そしたらそのブックが開き、追加アイテムのチェックを自動で行い、上書き保存して閉じてくれる。
…あっと、閉じる前に、チェックが終了したシートを印刷するかどうか、確認してくれるとさらにいいな…」
星くんは目を閉じ、頭の中に想像した架空のシステムの動きを、八木くんに説明します。
「ほら。もう、システムの骨格が出来上がってきたじゃないか!
あとは今、おまえが想像したシステムにできるだけ近いものを作り上げていけばいいんだよ。
ちなみにその場合、マクロはどこに記述するんだい?」
「…そうか!
"追加アイテム確認システム"というブックを作り、その中にマクロを作成すればいいんだ!
このブックには、メニュー画面やマクロなど、システムに必要なものを組み込んでおく。
そしてこのブックのマクロから、オーダー表のブックを開き、処理して、保存する。
あとはユーザーがこの作業を、必要な回数だけ繰り返せるようにしておけばいいんだ!」