「そういうこと。今やったように、常に使う人の目線に立ってシステムを考えるんだ。
そうすれば、システムにどんな機能が必要なのか?何があると便利で、何がないと困るのか?
そういったことが、自然にわかる。
これはすごく大事なことだから、よく覚えておくんだ」
「でも、ブックを開いたり、閉じたり、保存したりするにはどうしたらいいんだい?
ましてや、[ファイルを開く]ダイアログボックスを出したり、印刷したり…。
そんなの、VBAからできるのかい?」
星くんが心配そうにたずねます。
「前にもいったろう?
VBAで開発する最大のメリットは、Excelのもつ様々なオブジェクトを自由に使えるところだって。
今おまえがたずねたことは、マクロではなく手動で操作すれば、ユーザーが普通に行える処理だよね?
…ということは、それらはすべて"Excelのオブジェクト"が実行できる処理なんだ。
当然、VBAからも簡単に実行することが可能だよ。それに…」
八木くんの解説が続きます。
このとき星くんは、力強く語る八木くんの姿を心底、心強いと思いました。
そしていつか自分も、八木くんのようになりたいと感じていたのでした。