星くんの指が[F5]キーを押します。
画面に[ファイルを開く]ダイアログボックスが表示されました。
「"Test.xls"を選択して…[開く]ボタンをクリックと…」
画面が一瞬、チカチカと動き、あっという間にマクロは終了しました。
「………う、うまくいったんだよな…エラーも出なかったし…」
星くんは、おそるおそる[マイ ドキュメント]フォルダの"Test.xls"を開いてみました。
プログラムしたとおり、セルA1に"開いたよ!"の文字列が入力されています。
これは確かに、マクロから"Test.xls"が開かれ、セルA1に"開いたよ!"の文字列を入力した後、
上書き保存して閉じられたことを示しています。
「やっ!………たぁ」
思わず手をたたきそうになった星くんは、また皆から注目を浴びる前に、声をひそめました。
そして机の下で、小さくガッツポーズをとったのでした。
そんな星くんを遠目に、岬さんがフフッと小さく笑い声をあげました。