ごめん、今日は………
「星さん!定時になりました!
今日も、八木さんのところに行くんですよね?」
「うひゃあ!!
…岬さんか、びっくりしたあ!
…えっ?もう定時になったの?」
星くんは、壁の時計を確認します。
針は17時を回っていました。
星くんは、腕を組んで何か考えている様子です。
「…ごめん、岬さん。
どうしてもあと少し、オーグチさんの案件を片づけておきたいんだ。
今日は、中止にしてくれる?」
「え~~~っ??」
岬さんが、あきらかに不満そうな顔をします。
「ごめん。ホント、申し訳ない」
星くんが拝むようなポーズをとります。
「…仕事では、しょうがないですね。
わかりました。今日の勉強会は中止ですね…」
岬さんはそう言うと、スゴスゴと事務所を後にします。
「…ふう。彼女には悪かったな。
…八木に、今日は中止ってメールを入れておかなくっちゃ…」
携帯からメールを送信した星くんは、再び、モニターとにらめっこを始めます。