学生時代からの親友
「あ、そうだ。
八木さんと星さんって、学生時代からの親友なんですよね?」
「あ、はい。
高校時代からの友人です」
「二人は、どんな学生だったんですか?」
八木くんは遠い目をして、昔のことを思い出します。
「ビックリするほど、今と同じです。
二人とも、全然変わってないなあ…」
「えー、そうなんですか~」
岬さんは、なんだか嬉しそうです。
「はい。ホント変わってないです。
…星は昔から、人に何か頼まれるとイヤと言えなくて…、
困ったことになると、たいてい俺のとこに相談にくるんです。
…でもあいつ、がんばり屋だから…、最後には自分の力で、解決しちゃうんですよね」
フンフンとうなずいていた岬さんが、あらたまった態度で質問します。
「…このあいだ、八木さんの夢について話していただきましたよね。
…八木さん本当は、星さんと二人でベンチャーを立ち上げたいんじゃないですか?」
「う………」
八木くんは図星をさされ、目を白黒させます。
「…いや、そんなこと…。
彼は、会社にとって重要な人間だし…」
岬さんが、八木くんの目をまっすぐに見据えます。
「八木さんのベンチャーのパートナー。
女の人ではダメですか?」
「え…?」