あちゃちゃちゃちゃ!!
テンションの上がった星くんは、チャイムを鳴らすのをすっかり忘れています。
「…あれれ?…八木のやつ、出てこないぞ。
まさか留守なのか?」
星くんは、ドアノブに手を伸ばします。
ドアに鍵はかかっていませんでした。
「なんだ、いるじゃないか。
不用心なやつだなあ…。
八木!ベーシックの試験、満点合格だ!
おまえのおかげだよ!!」
星くんの視界に、八木くんと岬さんの姿が飛び込みます。
「八木さんのベンチャーのパートナー。
女の人ではダメですか?」
「え…!?」
八木くんの手にしたカップから、膝の上にコーヒーがこぼれます。
「あちゃちゃちゃちゃ!!!!」
「たいへん!八木さん、雑巾はどこですか?」
星くんは目を丸くして、すっとんきょうな声をあげます。
「…へ?………なんで、ここに岬さんがいるんだい??」