OLEオートメーションとは

星くんが開いたのは、11章の1「OLEオートメーションとは」のページでした。

「…ああ、OLEオートメーションですね、確かに難しいです。
星さん、そもそも"OLE"って何かわかります？」 「…いや、はっきり言って全然わかりません。教えてください」 星くんが素直に、頭を下げます。
岬さんは、少し得意気に説明を始めます。

「"OLE"は、ここにも書いてありますけど…"Object Linking and Embedding"の略で、
アプリケーションから、別のアプリケーションを操作するために作られた規格です。
例えば、Excelのアプリケーションから、WordやPowerPointなんかの別のアプリケーションを、
操作するために用意されたもの、と考えればいいです」 「ふんふん」 「そのOLEを、VBAやVisual Basicなんかのプログラミング言語から、
使えるようにした仕組みのことを、"OLEオートメーション"って言うんですよ」 「…なるほど、わかりやすいなあ」 星くんは感心した表情で、岬さんを見つめました。
岬さんの頬が、少し赤らみます。

「…ゴホン。
で、そのOLEオートメーションを利用するために必要な方法が、
事前バインディングと実行時バインディング、という2つの方法です」 「事前バインディング？」 「ここみてください。ここ」 岬さんが、テキストの182ページを指差します。

「VBEの［ツール］メニューから［参照設定］をクリックして、
表示された"参照設定ダイアログボックス"にチェックを入れるやり方です」

※事前バインディングは、利用するアプリケーションをあらかじめ参照設定します。

「ああ、このダイアログボックス！見たことあるよ。
…このために用意されたものだったんだ！」