これは、まずいな
「…あとフォームの規格一覧リストを、何も選択しないで
"入力"ボタンを押したら、どうなるんだい?」
星くんは規格入力フォームを表示させ、リストを選択せずに[入力]ボタンをクリックしました。
「…あ」
「ふーん、これはまずいな。
入力されないのはまだしも、元々入っていた値が消えてしまうのはダメだよ。
……そもそも"入力"ボタンなんか、いらないんじゃないか?
リストを選択したとき、そのまま入力されれば、ボタンを押す手間が省けるじゃないか。
そーしてくれよ、星」
星くんが、カリカリとメモに書き留めていきます。
「…わかりました。
"入力"ボタンは廃止で、リスト選択でセルに入力できるようにするんですね」
オーグチさんが、指で丸を作りオッケーサインを出します。
「一括入力チェックの呼び出しは、そのダブルクリックの方法でオッケーだよ。
あと2日ほど待つから、その間に修正をよろしくな!
………と、俺もう客先に行かなくっちゃ!」
オーグチさんは大あわてでカバンを手にすると、せわしなく事務所を出ていきました。
「…はあ、オーグチさんも大変だな。
しかし、"入力"ボタンはいらないか…目からウロコだよ。
これは実際に業務をやった人でないと気が付かない部分だなあ…」