いつのまにやら、もぬけのから
星くんは作成したコードを確認しながら、一人ブツブツとつぶやきます。
「よし!
あとは、"Cancel = True"以降に、2つのフォームを呼び出す処理を、それぞれ実装すればオッケーだ!」
星くんは、プログラミングに夢中になるあまり、昼休みのチャイムが鳴ったことに気がついていません。
いつのまにやら事務所の中は、もぬけのからになっていました。
「あれれ…?みんな、いないぞ?
そうか、もう昼休みか……一休みしてメシでも食いに行くか」
星くんが席を立とうとしたとき、ガチャリとドアが開き、岬さんが顔を覗かせます。
「…星さん。これからごはんですか?」
「うん。岬さんは、もう食べたの?早いなあ」
「…いえ、私もまだです。
………星さん、よかったら一緒にごはん食べません?
……ちょっと、聞いてもらいたいことがあるんです…」
「へ?…何か話があるのかい?
オッケー。じゃあ、食べながら聞くよ」
星くんは作業中のブックを保存すると、岬さんの方に小走りで駆け寄っていきました。