そういうことなのか
八木くんのリアクションを見て、泉先輩はピーンときます。
「(ああ…なるほど。そういうことなのか)」
「…そうか。残業ではしょうがないな。
まあ2人とも、上がってください…」
テンションの下がりまくったった八木くんが、2人を部屋へ招き入れます。
「この資料を、まとめてくれるかな。
出来上がったら1枚ずつ、持ってきてくれ。チェックするから」
岩田部長は、資料一式を岬さんに手渡します。
自分はノートPCを開くと、忙しそうに書類を作成し始めました。
「はーい。わかりましたあ」
岬さんは資料を受け取ると、スゴスゴと自分の席に戻っていきます。
事務所の中は、部長と岬さんの2人きりです。
カタカタカタ…と、キーボードを叩く音が、室内に響き渡りました。