まだそんなところ!?
「え~~~~!!?星くん、まだそんなところを勉強しているの!?」
八木くんの部屋では、泉先輩がすっとんきょうな声を上げています。
「…えっと、そのオーグチさんの案件で忙しかったってゆーか………すみません」
星くんはテキストの12ページ目を開きながら、頭をポリポリとかきました。
「イミディエイトウィンドウか。
効率的なコーディングをするうえで、欠かせない機能だな」
「メッセージボックスの代わりに使うことは、たまにあるんだけど…
そんなに便利な機能なのかい?」
「…なに言ってんだ星。
おまえイミディエイトウィンドウをなめてるだろ」
八木くんはVBEを起動し、イミディエイトウィンドウに、カタカタと何やら書き込んでいます。
Application.EnableEvents=False
Application.EnableEvents=True
「イベントプロシージャのマクロを作っているとき、
一時的にイベントの発生を抑止したいときがあるだろ?
そんなとき、いちいちEnableEventsの切替マクロを作るのかい?」
「そっか。イミディエイトウィンドウは任意のVBAの命令が実行できるんだっけ!」
「そう。1行目にカーソルをおいてEnterキーを押せばイベントを抑止、
2行目でEnterキーを押せばイベント抑止の解除と、簡単にExcelの動作を切り替えられる」
さらに八木くんは続けて、イミディエイトウィンドウに書き込みます。
?Dir(ThisWorkbook.Path & "\*.xlsx")
「このブックと同じフォルダに他のブックが保存されていれば、見つかった最初のファイル名が、
なければ空の文字列が、イミディエイトウィンドウに出力される」
「ああ…すごいじゃないか!
いちいちマクロを作らなくても、コードの動作を確認したり、任意の命令を実行できちゃうんだ!
…八木、他にもまだあるのかい?」
「まだまだ、いっぱいあるよ~」
そういうと、八木くんはニヤリと不敵な笑みを浮かべるのでした。